ONE SIDE LOVE



「ゆう?行くよ?」


何故か私の右手を握った将士はレジに向かって歩いていく。


「えっ!!?」


あまりのことに思わず大きな声を出してしまった。


「ゆう、何?もしかしてゆうも何か用事あった??」


将士は何事もない様に振り返り言った。


「い…や、用事はないけど……。」


「用事がないなら良いね、行くよ。」


――ちょっとぉ!?だって手!この手は何なの!!?


好きな人と手を繋ぐ事が嫌な訳はない。
だが、将士の意図が全く分からなかった。


その後レジを済ませた私達は何故か将士の家に向かって歩く。


「将士?」


「何?」


隣を歩く将士に声をかけると首を傾げて私の方を振り返る。


「あのさ、何で将士の家に行ってるの?」


星也と約束していたのに私だけが将士の家に行くのはどう考えてもおかしいと思う。



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