ONE SIDE LOVE



「え?だってゆう家の鍵持ってないだろ?」


将士の言葉にまさかと思い鞄やポケットの中を探すけれど鍵が見つからない。


そんな私を将士は笑いながら見ていた。


「星也が言ってたよ?最近ゆうが家の鍵持ち歩いてないって。」


確かに出かける時は星也と一緒の事が多いため、私が鍵を持たなくても星也が持ち歩いていたので十分だった。


「気付かなかったぁー。」


将士と一緒にいられるのは嬉しいけれど、二人きりになった事など無いので緊張する。


――星也、何でバイトなんて引き受けたのー!!
ん?あれ?


「どうして星也がバイトなのに今日将士の家に行くことになったの?」


先程気付いた疑問をぶつけてみる。


「あー…。」


と言って言葉を濁す将士にますます訳が分からなくなる。


「俺もさっき気付いたから。」


そんな取って付けたような言葉に納得出来ずにいる私に構わず将士は違う話をし出す。


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