ONE SIDE LOVE



「そーいえばさ、ゆうこの間三年の人に告白されてただろ?」


知り合いに、よりによって好きな人に自分が告白されていたところを見られていたとは気まずい。


「あー、うん…。」


今度は私が言葉を濁す。


何と答えたら良いかよく分からなかった。


「ゆう相変わらずモテてんだね。」


「それは将士の方でしょ!?学園の王子様じゃん?」


将士の人気はとにかく凄い。
一週間で一回も告白されなかった事があっただろうか。
少なくとも私が星也から聞く限りでは週に一回は告白されている。


「俺、王子様ってキャラじゃねぇだろ。それいうなら星也が王子様だろ?」


吹き出して笑う将士だが、そんな姿でさえも様になる。


「無自覚…。」


そんな私の呟きは将士の耳に届かなかったようで、今もなお笑っている。


確かに星也も王子様と呼ばれているけれど、姉弟が言われるのと好きな人が言われるとではわけが違う。


将士が他の人の目に触れなければ良いとさえ思ってしまう。



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