星に願い
一匹狼
「ねぇ、どうして篠原っていつも1人なんだろ?」
私、白戸美雪は前から疑問に思ってたことを親友の芹沢七瀬に聞いてみた
「どうしてって?そりゃあ、あの容姿だもの」
そう、篠原咲揶は誰が見てもかっこいい。
180は超えているであろうの身長に、長い手足。切れ長の目は鋭く誰も寄せ付けない眼差しに高い鼻。
あたしより薄いんじゃないかと思う唇。全てが整っている。
「それだけなのかな?篠原は、なんか抱えてそうに見える。」
「え、そう?あたしには、分からないや。てか、もしや気になってる系?」
そう言って七瀬はニヤニヤしながらあたしをみてきた
「ちょ、ちょっと!そんなんじゃないし!!」
「はいはい」
そう、言っておきながらまだニヤニヤしてる!ほんとにそんなんじゃないって!
「でもさ~、美雪は彼氏作らないの~?」
「彼氏?作らないもなにも、好きな人いないし、出来ないし~」
なんて軽く流してみた
「ほんとにも~!人がせっかく~…」
と話していると
「七瀬!帰ろー!♪」
七瀬の彼氏の宮間洵君が七瀬を呼んだ
「うん!ちょっと待ってー!
て、ことでごめん!美雪!あたし帰るね」
「はいよ~!またあしたね!」
七瀬は美人系。性格もさばさばしてて皆から人気があるんだ。
黒髪ストレートに大きな瞳でスタイルがモデルなみ!
そう言ったあたしは、至って平凡。
ほんとにどこにでもいるような普通の女の子
「はぁ~、七瀬になりたぁい」
なんてひとりごと
「あたしも帰ろうかな~…」
私は、机の上に出していた物を片付けた。
そして、教室を出ようとしたとき
あたしの足下に一枚の紙が落ちてきたんだ。
それは篠原の白紙の進路希望用紙だった
「はい。落ちたよ。」
と言ってあたしは篠原に手渡した
すると篠原は少しだけ口元に笑みをうかべ
「サンキュ」
と言った
あたしはびっくりしたんだ
篠原が笑ったのを見たのが初めてだったから。
「ど、どういたしまして!!」
突然の篠原の笑顔に驚いたあたしは、つい咬んでしまった
なんだろ、このなんとも言えない気持ちは。
あたしのクラスの一匹狼は他の人とは違う何かを持っていた。