感情失者
感情失者
「ーーーーっ?」
汚く小さい部屋の窓際にあるベットの上で、少女は目を開けた。
銀色の長い髪の毛をまとう少女は、天井にある電球からか目を細くした。
上半身を少し起こし窓を見ると、太陽が丁度南の方向にあった。
どうやら、お昼の時間らしい。
辺りを見渡すと、雑誌、ゲーム機、マンガ、趣味の知恵の輪が異常の程散乱して、真ん中には寝っころがりながらマンガを読む少年がいた。
ーーーー直樹だ。
視線から気が付いたのか、直樹わ少女に目を向けた。
「あっ、気が付いた?」
直樹は、心の底からホッとしていた。
腕や足の傷が、想像以上に深かったのだ。
一応消毒して包帯やバンドエイドを貼ったから大丈夫だろうと思っていたが、なかなか意識が戻らないため不安だったのだ。