キミの背中。~届け、ラスト一球~
「あ!そうだ、湯野。部活休みの時、気分転換に海でも行かないか?」
「海っすか?どうしたんすか、突然」
陵雅さんのいきなりの発言に、草太が眉を寄せる。
「いや、さっきコンビニでさ、水着を着たそうに雑誌を見ている女子高生がいてさ」
そう言って陵雅さんがあたしを見る。
「え?コイツが?水着を?
やめてくださいよ!!それこそ地球破滅しますよ」
バシっ!!
あたしは、草太の頭を思いきり叩いてやった。
草太が大袈裟に頭を押さえる。
「何すんだよ!! 本当の事だろ?
水着?は?は?おまえが水着?」
どんな水着姿を想像したのか知らないけど、草太が一気にパニックになる。
「いいですね!海‼あたしも行きたいです!!行きましょうよ、みんなで」
ミナはとても楽しそうに身を乗り出してきた。
ミナはいいよ。スタイルいいからきっとどんな水着だって着こなせる。
雑誌に載ってたきわどい水着だって、全然OKだ。
あたしなんて……。
「あたしは行きません」
沈んだ声で言う。