キミの背中。~届け、ラスト一球~
「え?どうして?あんなに欲しそうに雑誌見てたじゃん」
あたしは陵雅さんに微妙な笑顔を向け、「ああ~」と頷いた。
「ああいうのは、ミナみたいなスタイルのいい子が着るものであって、あたしが着たらそれこそ地球が破滅します」
ハハハ。と、顔を歪めて笑う。
また前みたいに、スタイルのことなんて気にせずただ純粋に海に行って楽しみたい。
だけど、もう高校生だもん。
そういうわけにはいかないよね?
草太だって、あたしみたいな幼稚体型の女の水着姿なんて見たくないはずだ。
あたしがシュンと肩を落とすと、ダラダラと溶けてきたソフトクリームがあたしの手に落ちてきた。
それをなめると、手がベタベタする。
「きたね」
草太がボソリと呟いたので、あたしは腹いせに草太のユニフォームになすり付けてやった。