キミの背中。~届け、ラスト一球~
ただでさえ一緒にいれる日は少ないのに、こんなことで時間を使ってるって、本当にもったいないよね。
草太からもっと早く聞いていれば、陵雅さんをデートに誘えると思った。
もっと早く聞いていれば、夏休み中に何かしら行動を起こせるって……。
だったら、今それをすればいいんじゃん!!
考え過ぎて行動に起こせないのがあたしの悪い癖。
それを治す為に吹部にも入った。
もっともっと自分の嫌なところを変えていかなきゃ。
「ミナ!!」
あたしが急に強く言ったので、ミナは少し肩を上げ驚いていた。
「あたし、陵雅さんに気持ち伝える!!」
「……希歩」
「このままじゃ、時間がもったいないもんね」
ミナが目を丸める。
気持ちがまだ揺らぐ自分に言い聞かす為にも、強く言ったんだ。
だって、もし今告ってフラれたとしたら、もう今までのように気軽に話せる相手じゃなくなるかもしれない。
陵雅さんもあたしに気を使ってよそよそしくなるかもしれないし……。