キミの背中。~届け、ラスト一球~
画面に映ったミナのメッセージに、鼓動が一気に早まる。
緊張で全身に震えが来て、呼吸が乱れてきた。
今日の部活は合奏なしだけど、一応長谷川さんに早く帰ると一言伝え急いで楽器を片付ける。
手に力が入らなくて、何度トランペットを落としそうになったかわからない。
どうしよう、吐きそうになってきた……。
まるで目元に心臓があるかのように激しく脈打ち、視界がブレて見える。
あたしは息苦しさを抑えるため、大きく深呼吸をしてから音楽室準備室から出た。
ドドドドドドドド。
廊下を歩くあたしの足音なのか、それともあたしの加速する鼓動の音なのかわからないけれど、耳元にうるさくまとわりつく。
血の気が引いて、手先がどんどん冷たくなっていった。
急がないと、陵雅さんが帰ってしまう。
だけど、今から陵雅さんに告白するんだと思ったら、緊張でどうにかなってしまいそう。
ああ!!もうどうしたら……っ!!
「あ!!陵雅さん!!」
興奮のあまり、靴箱前を通りかかった陵雅さんを見つけ勢いで呼んでしまった。