キミの背中。~届け、ラスト一球~
あたし達が教室に戻った時には、もうクラスメイト達は誰もいなかった。
よかった。
これで、草太にプレゼントを渡せる。
あたしは教室に戻ってすぐに、スクールバックから草太へのプレゼント取り出した。
草太も同じことを考えていたのか、ふたり全く同じ行動に笑いが出た。
ふたりでプレゼント交換をして、「せーの」で取り出す。
「あ」
「あ」
声が重なった。
ふたりの手には、グレーと紫のマフラーと手袋。
プレゼントも同じものを選んでいて、あたし達は大声で笑った。
紫色のマフラーを早速巻くと、とても温かくて幸せな気持ちになった。
草太もマフラーを手袋を付ける。
やっぱり、草太はグレーがよく似合う。
あたしは草太のカッコよさに耐えきれなくなって、草太のマフラーをグイっと引き、キスをした。
草太が目を丸めたので、あたしは恥ずかしくなって頭をポリポリかく。
そして、お互いクスクス笑った。