キミの背中。~届け、ラスト一球~


まぁ、中学に上がった頃から、何か問題があって精神的に病んだりすると必ず焼きうどんが食べたいって言っていたから、気づかれて当然なんだけど……。


『だから、昨日も言ったじゃん。焼きうどんの気分だっただけ!!』


またすぐに『既読』が表示される。


『まぁいいけど。
ああ、そうだ。部活終わったらラインするからちょっと外出て来て』


あたしはずっとラインの画面を開いたままだから、きっと草太の画面にもすぐに『既読』が表示されてるだろう。


『了解』


あたしはまた短く返すと、『既読』がついても、もう草太からメッセージが返ってくることはなかった。


あたしはスマホの画面を消し、一度仰向けになる。


閉め切ってある部屋は、むしむしと暑い。


首筋に嫌な汗をかいていて、Tシャツの半袖で汗を拭う。


ああ……暑い。



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