キミの背中。~届け、ラスト一球~
しばらくベッドの上でだるい体を休めていると、また草太からラインが届いた。
『いつものところにいる。出て来て』
いつものところか……。
あたしは大きく息を吐きながらベッドから立ち上がった。
草太が言ういつのもところとは、あたしの家から100メートル程離れた場所にある月極め駐車場のこと。
あたしと草太の家のちょうど真ん中くらいにあるから、よく家に帰る前に草太と駐車場のブロックに座って長話をするんだ。
今日もそこに呼び出すってことは、何か親に聞かれたくない話しでもあるのかもしれない。
でも、何だろう……。
最近悩みがあるようにも見えなかったし。
急に駐車場に来てって呼び出される理由がわからないんだけど……。
あたしは汗をたくさんかいていたから、洗濯して畳んだまま床に置いてあった小さな星がプリントされたTシャツと、その下に隠れていた柔らかいデニムのフレアスカートをはいて家を出た。