ソフトな関係、ディープな事情
明るめの花を白色の包装紙で包まれた花束。なんの花かは知らねぇや。


『201号室』とかかれたプレートを確認し、ノックをしてから戸を開ける。


個室であるここに、いつものように窓の外を見てボーッとする親友の姿があった。



「【和泉】(いずみ)、まーた外見てんのか?お前もよく飽きねぇよなー」


「【青葉】(あおば)……いつ来てたの?」


「今来たばっか。で、何見てたんだよ」



手に持った花束を肩にのせつつ、親友である和泉の元に歩み寄る。


和泉はいつもこうだ。


俺が声をかけない限り、俺の存在に気づかない。よっぽど外の景色が気になるんだろうな。

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