くすんだ空を見上げれば
暫く抱き締め合っていたけど
「戻ろうか」の一言でゆっくり来た道を歩き出す。
気持ちが伝わる喜びや嬉しさ、一緒の想い
それが“幸せ”なのかなって思った。
梅雨時のジメッとした風さえも今は心地良く感じる。
好きな想いが強ければ嫉妬心は大きくなるけど
それでもちゃんと信じていたい。
言いたくない事はもうムリに聞かない。
話してくれる事なら何でも全てをしっかりと聞くよ。
まさか神谷が私を好いているなんて思いもしなかったけど。
寂しかった心は ポワッ と温かくなって。
“両想い”なんて初めてで私は今後どうしたら良いか分からないけど
この気持ちは大事にしたい。
たくさん感謝する事があるからその恩返しって訳じゃないけど
私はもうこの前みたいに離れて行かないし
ちゃんと信じるから。
繋いだ手はさっきよりも温かくて
いっぱいドキドキした。