くすんだ空を見上げれば
サトルさんもレイタさんも仲良くしてくれるし
神谷もいつも通りで紅葉も優しいし
それだけで心が温まる。
夕方までお喋りしていたが
沙恵が帰ってくる時間に合わせて神谷にバイクで送ってもらい沙恵の家に帰った。
三回目のバイクは乗るのも下りるのも慣れていた。
だけど腰に手を回すのだけは凄くドキドキした。
「楓~
仲直りしたんだ?」
「うん、心配かけてごめんね…」
それから、昨日の夜の出来事を話した。
「えっ!?キスしたの!?
って事は、付き合ったんだよね!?」
「付き合う?」
「うん!告ったんでしょ?」
「あ…」
確かに告白はした。された。
だけど付き合うなんて話にはなってない。
そう思っているのは私だけ…?
そんな事考えてなかった。
「で…でも!
離れないって約束したから…
付き合うって形はなくても良いの!!」
うん。彼氏と彼女じゃなくても愛の形はちゃんとあるから…。