くすんだ空を見上げれば


ファミレスに着いて、二人席へと案内された。
この時間なら学生は制服を着てる。この人は違うのかな…。




「単刀直入に言うけど、あんた神谷の何?」
ドリンクを頼んで直ぐの事。

「何ってどう言う意味?」

「私の事バカにしてるの?」
バカにする訳がない。本当に分からないんだから。

「あんた付き合ってんの?」
付き合ってはないと思う。でも…
両想いです、なんて言えない。
「あなたに関係ありません」

うん。これが一番良い答え方だね。


「そう?別にいいけど。
私ね、神谷と付き合ってたの。って言っても向こうはそう思ってないだろうけどね。

でも私はまだ好きだし、他の人と付き合ったけどうまく行かなくって。
もちろん、体もね」

ゆっくり喋ってるのに目つきは鋭く口元はうっすら笑っている。



この人は本気で好きなんじゃない。
私は1日だけでも泣き狂うのに、この人は他の人と…
しかも体って…。

好きなのは構わない。でも本当に好きじゃないなら近寄らないでほしい。

神谷が嫌がってる存在だから…。




「本気で好きなんですか?」
私はシッカリとその人の目を捕らえる。

「本気でも、そうじゃなくても、あんたには関係ないわね。
簡単に言うと神谷の周りチョロチョロしてて目障りなのよ。

あの人を彼氏にするって凄い事なの。全く彼女作らないし、近くに居るだけで鼻が高い。分かる?

私は未だに体の関係あるし、あんたとは格が違うの」


……何を言ってるの?
凄い?鼻が高い?自分の自己満じゃないか。
体の関係?もし本当ならそれを受け入れるのに時間がかかる。手の震えがそう語っている。

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