くすんだ空を見上げれば
だけど私は信じるよ…。
あの時震えながら弱々しく私を好きだと言った神谷を。
それに私は自己満や周りに対して鼻が高いなんてそんな“好き”じゃない。
温かくて優しい神谷が好きなの。
この人と私の“好き”は違う。
大きさも形も違う。見た目や人の評価じゃなくて神谷自身が好きなの。
格が違う?勘違いもいいとこ。
これだけは自信がある。言うからには後戻り出来ないけれど
ねぇ、私は信じてるから。
「神谷はあなたが嫌いです。名前も覚えてないくらいに。
過去に体の関係とやらがあったとしても、今はないでしょ?この前久々って言ってたし。
私はそのうち彼女になりますから、私と神谷からしたらあなたが目障りです。
自信があるなら今すぐ神谷の所に行きます?私はいつでも行けますよ?
そんな性格悪い人に神谷を評価するような事、されたくない!」
「は?男なんて周りの評価が大事なのよ?私が側に居る事はマイナスにならない。
あんた、ブスじゃん?飾りっけもないし。可哀想だから神谷の側に居ないでくれる?」
「ブスで飾りっけなくて結構です!そんな厚化粧とくっさい香水漂わすよりマシ!!
私は素で居ても受け入れてくれる人は居ますから!」
「調子のんじゃないわよ!?あんた本当目障り。うざい。
神谷の下の名前だってどーせ知らないでしょ?」
「…下の名前?」
確かに。言われてみれば知らない。でも…今関係ある?
ヒートアップした自分がピューっと音をたてて冷静になるのが分かる。