くすんだ空を見上げれば
教科書を開き、窓の外へと目を向けた。
「晴天か…」
ボソッと言ってからそれについて考えてみる。




やっぱり私には分からないけど、いつかそう思ってみたいと思う。




さっき神谷と連絡先を交換した。アドレス帳に高校で初めて登録された唯一の人だ。




休日に外へ出るのは久々だ。小さい頃はそんな事なかったはずなのに。







教室内を見回す。
名前なんて知らないクラスメート。
きっと私の事も知らない。



サボる癖はあるが成績は悪くないと思う。
勉強しなさい、そう言われて育ってきた。


高校入ってからはサボる事を覚え、きっと成績は悪くなるかもしれない。

でも

それでも良い。


親の言いなりになるのはもう嫌だ。



青春なんてそんなモノ
私には せ の字も出てこない。


クラスメートの名前だって覚える気もなく、友達が出来る訳がない。

先生の名前も知らない。
まだ一学期。全てダルい。
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