くすんだ空を見上げれば
学校が終わり家に帰る為にバスに乗る。

家も嫌いだ。だからって寄り道する場所もない。

兄が居る時は結構話すが居ない時間のが多い。


部屋にこもってテレビを観たり
ただゴロゴロするだけ。

夕飯を終えたら直ぐに寝てしまう。

両親と一緒に居たくない。嫌いだから。
だから家が嫌い。


でも制服を脱いだ瞬間は気が楽になって少し落ち着く。

部屋着に着替えて冷たい床に寝転んだ。

ヒヤッとしてゴツゴツした感じが好き。

フローリングで良かったと、その辺は親に感謝してみたり。




開けた窓から風が入る度に心地好くなる。

顔をピッタリと床につけて目をとじる。




静かな家。両親は共働きで十八時過ぎに帰ってくる。
誰も居ないこの時だけ
何もかも忘れられる。

この一時は好きだ。

何もかも忘れ
何もかも無くして。


ただ私と言う人間だけの空間。

全てが遠い。

私だけ取り残されて…。


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