くすんだ空を見上げれば
昨日は久々に温かな気持ちで眠れた。


今はもう昼。紅葉と私、そして神谷の分の昼食を作っている。



なんだか体も心も軽くて、見えるモノが違って見えている。




目玉焼きと味噌汁の至ってシンプルな昼食を二人は美味しいと言いながら食べてくれた。


それだけでポッと心に火が灯るように温かくなった。







「楓も一緒に来るか？」


「何処に？」

「俺ら遊び行くからさ」


紅葉が物凄く珍しい事を言っている。
でも…

神谷は まじかよ!？みたいな顔してるし、行かない方が良さそう…。



「わ…
私はいいよ。二人で行って来なよ!
今度三人で遊ぼ？」

紅葉の顔を覗き込む。




「まぁ、そうだな。楓来たら間違いなく絡まれるしな!」
「うん、かえちゃんはあいつらに会わない方が良いよ!」
神谷まで…。



絡まれるってどういう事か今一分からないんですけど…。







２時くらいに二人は出掛けて行った。


いつも通り部屋にこもってメールのやり方を研究していると、三時くらいに神谷から電話がきた。





「もしもし…」
初の神谷との電話に緊張しながら出ると、『外出てきて』と一言だけ言われ切られた。



急いで準備をして外に出ると、神谷がバイクに乗って家の前へ来ていた。


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