くすんだ空を見上げれば
家に帰って来たのは夜中の二時だった。


明日学校だから早く寝なきゃ、とフトンに入る。



神谷に少しでも近付けるように
私はきっと変わってみせる。



朝がくるのは早く
アラームが鳴り響く。





「おはよ」
リビングには紅葉がいた。



「楓、もし夏休みバイトする気あるなら俺に言えよ?」

「バイト?何で?」
「良い所あるから♪」

「覚えとくね、一応」

二人分の朝食を作り、それはいつもより美味しかった。



昨日の夜、紅葉が私に言った事、少し分かる気がする。


「紅葉、ありがとう。学校行って来ます」


今日も快晴。




バイト…
してみようかな…?




どうせ親は何も言わないだろうし。




学校に着くと、やっぱり何も変わらない教室内。

変わるんだ。友達も…
怖いけど、友達を作るんだ。





チャイムが鳴る前に担任が教室へ来た。
って…
なんか私の方歩いてくるし!



「合川!今日から放課後補習あるから、居残りだ」


「…」


居残り…?





そっか。サボってたからか…。



テスト結果次第でもよくない?



夏休みにも補習あるって聞いたけど…


めんどくさい。



もうサボれないじゃん。


…神谷と会えないじゃん。





なんだか


会えない、と思うと
心がモヤモヤしたが


それがどうしてかは分からなかった。


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