くすんだ空を見上げれば
「ね、好きってどんなの?」
ほんわかと彼氏の話をする沙恵に聞いてみた。
「え…っと…。
気になったり、ドキドキしたり…かな?
うまく言えないけど…」
「そっか…。」
私って…
もしかして…。
もっと近付きたいよ…
神谷の世界に。
そう思うのは私だけ?
「もしかして!楓好きな人居るの!?」
「まだ分からないんだけど…」
「えっっっっっ!?教えて!」
「誰にも言わない?」
「言うハズないじゃん!!」
言おうか迷ったけど、沙恵なら大丈夫な気がした。
「三年の…
神谷って人なんだけど…」
「まじでっっっ!?」
沙恵は目を見開いて相当驚いた様子だった。
「えっ!?知り合いなの!?」
「う…うん」
えっ!?何?何だろう…。
何かいけない事言った…?
「ごっ…ごめんね!
びっくりしちゃって」
「どうして…?」
「知らない?あの人の噂…
あまり良い事聞かないよ?
近付く人もうちの学校じゃいないし。
かなり有名でさ、先生も怖がってるみたい。地元でも有名なヤンキーみたいで、かなり怖いって…」
あ~
そんな感じだよね。最初は目の奥が怖かったし…。
でも…。
「私には優しいよ?」
「この辺でも見掛けるけど…
私は近付くの嫌だな~」
この辺って…
そりゃ紅葉と仲良いしね。って
紅葉も有名なヤンキー…なのかな…?
知らなかった。
私もビックリだよ…。
「でもさ、私は応援するよ!!相談とか聞くし!」
私に好きな人とかできると思わなかったし
友達とこんな話をする日がくると思ってもなかったな…。