くすんだ空を見上げれば
明日の朝から楽しみが増えた。
足取りが軽いのは気のせいなんかじゃない。
「か~えちゃん♪」
…?
神谷の声が聞こえた気がした。
いくら会いたいからって幻聴まで聞こえちゃうなんて。
「かえちゃ~ん?」
…
…
「ぇえっっ!?」
二度も聞こえたから後ろを振り向いた。
そこには間違いなく神谷の姿があった。
「間違えたかと思ったよ!」
「神谷っ!何で居るの!?」
まさか会えると思わなかった。
ねぇ沙恵…。
今私凄くドキドキしてる。
さっき言ってたのって…
こう言う事だよね…?
「かえちゃんこそ、こんな時間にどうしたの?」
「えっと…。
友達が出来てね、一緒に遊んでたんだ…」
「友達出来たんだ?」
「うん…
補習でさ…」
「あ~俺も補習やってたよ!」
「…神谷はどっか行くの?」
「紅葉と遊ぶんだ!家まで送ってくよ」
「ありがとう…」
紅葉の事迎えに行くのかな?