くすんだ空を見上げれば
「会えたでしょ?」
そう言って優しく微笑む神谷にドキッとした。
「…さっきの神谷怖かったよ…?」
「あ~
ごめんね?
一年がうるせーから」
「…」
でも一緒に食べよう、なんて本当に嬉しい。
弁当を広げて神谷を見る。
「いつも校売で買うの?」
「うん。それかコンビニ!
俺昼はあんま食べないからさ」
そう言ってパンを食べていた。
私も弁当を食べる。
それは昨日よりも美味しく感じた。
「誘ってくれてありがとう」
小さく言うと
ニコッとしてくれた。
「わざわざ教室まで来なくても、メールしてくれたら良かったのに」
「メールしたよ?
気付いてないと思ったから行ったんだよ」
「え…?」
慌てて鞄から携帯を取り出すと
確かにメールがきていた。
次からはスカートに入れておこう。
「あ、今日紅葉帰ってなかったみたいで、知ってる?」
「あぁ、俺の家で寝てたよ?」
「そうなんだ…」
帰って来ない日はいっぱいあるけど…。
学校の事聞きたかったな…。
「用事あったの?」
「ちょっと悩み事…」
「俺じゃ駄目?」
顔を覗き込む神谷にまたドキッとした。
「い…いや、駄目な事はないけど…」
心臓が口から出そうって
こう言う時に言うのかな?
慌てて目を逸らす。
前までこんな事なかったのにな…。
「悩みくらい聞くよ?」
「う…うん。
学校辞めたいなって思って…」
「…」
神谷は暫く黙っていて
煙草に火を着け一息ついてから
真剣な目で私を見た。