くすんだ空を見上げれば
「俺は辞めない方が良いと思うよ?
ダルいかもしれないけど」
「…神谷は何で入ったの?」
「俺は学校嫌いじゃないし、特にやりたい事もなかったからね。
進路はもう決めたから、別にここ来る意味もないけど…。
卒業はしたいからな」
「私はやりたい事とかないから…」
「だからここで見付けるんだよ。
学校辞めてもやりたい事は見付かんないよ?
後悔するかもしれないし」
「…」
勉強するのが嫌で
親に言われたからって理由も嫌だから…。
でも神谷は真剣だ。
「紅葉も同じ事言うと思うよ?」
「そっか。
でも神谷が卒業したら私つまんないよ」
…
…
えっ!?
私何ちゃっかり変な事言ってんの!?
ほら!
今神谷の目が一瞬見開いた!!
絶対変に思われたよ~
「あははっ
ありがとう。
俺学校に友達居ないからさ、かえちゃんが居て楽しいよ!
でも簡単な理由で辞めちゃ駄目だよ。
俺が卒業しても会える訳だし、友達だって出来たでしょ?」
「まぁ…」
「かえちゃんが決める事だけどね!」
何でそんなに辞めちゃ駄目か分からないけど
「うん、私頑張るよ!辞めないって約束する!」
前の私に戻りたくないから
神谷と勝手に約束した。
「うん。じゃぁ約束ね」
そう言って優しく微笑む神谷が
凄く綺麗で
カッコよく見えた。
…他の男子を見ても
神谷と紅葉はカッコ良いけど。