くすんだ空を見上げれば
…前は寝る前って嫌な事ばっか考えてたなぁ…。
今は学校の事とか沙恵とか神谷とまた楽しく過ごせるか考えて寝る。
私は神谷が気になるけど神谷はどうなんだろう?
…もしかして彼女とか居るのかな?
聞いた事ないや。
胸が苦しい。
もう寝よう。会った時に聞けば良い事だもんね。
「楓!!
遅刻すんぞ!」
布団を剥がされてパッと目を開けた。
「あ、紅紅おはよ…
今何時?」
「もう七時半だぞ!?」
「…えーっ!?」
慌てて起き上がる。
今日から紅葉の為に気合い入れて朝食作るハズが…。
昨日神谷の彼女が…
とか妄想してたからだ…。
寝付き悪かったもんなぁ…。
急いで準備したが限界で、ついに沙恵から電話がきた。
「寝坊しちゃって…
先に行ってて」
いくら遅刻しようが朝食はちゃんと作ってあげたい。
だけど補習の身、遅刻なんてしてる場合じゃなく
家を走り回って十分後
やっとリビングへ入った。
「ごめんね、今からご飯作る…から…」
紅葉は台所から出て来て
リビングには既に二人分の朝食が並べられていた。
「簡単な物しか作れないけどな」って笑いながら
でもトーストとサラダがあって、それだけで凄く嬉しかった。
初めて紅葉が作ってくれた…。