くすんだ空を見上げれば
「ね、紅葉って彼女居るの?」
昨日気になった事をストレートに聞く勇気がなくて
紅葉の名前を出した。
「居ないよ?気になる?」
「まぁ…」
「付き合っても直ぐ別れちゃうんだよね。
かえちゃんが大好きらしいよ?」
「私のせい…?」
「違うよ。紅葉はモテるからね。
遊ぶのには困らないけど付き合うとは別なんでしょ?
妹の方が大切だからって言ってたし。かえちゃんが何を言ってもシスコンは直らないよ」
「…」
「かえちゃんが彼氏出来たら大変だろうね」
また意地悪に笑った。
でも
神谷の口から 彼氏 なんて言ってほしくなくて
私はやっぱり友達でしかないのかな…?
「神谷は彼女居ないの?」
「俺が彼女居たらかえちゃんと今居ないと思うよ?」
その言葉に
グサッと何かが刺さった。
「そっか…。」
胸が苦しい。
でも聞きたい。
「どれくらい彼女いないの?」
「かえちゃんと会った日の少し前かな?」
「じゃぁ…神谷もモテるのかな…」
「いや、モテないよ?別に普通でしょ。
何でそんな事聞くの?」
「なんとなく…」
どうしても苦しい。
聞かなきゃいいのに
それでも気になってしまう。