くすんだ空を見上げれば
「楓が気にする事じゃない。
俺からは何とも言えないけど、元カノの事は本当気にしなくて良い。
神谷って女に凄く冷たいんだよ。あの女がしつこいから付き合ってただけで
って言っても神谷はその気なかったらしいけど。
あの女が周りに付き合ってるって言い触らしてさ。
今日見たままの神谷だったよ。
前に付き合ってた子に浮気されたらしくてさ、それから女には物凄く冷たくなった。良い奴だけど、女に対してはな…。
楓と居る神谷を見て変わったんだなって思ったよ。
未練もないし神谷も少しずつ変わってきたよ」
「じゃぁ…
何で私が聞いた時怒ったの?」
「話したくないんだろ」
「何で?」
「世の中にはそんな事もあるんだよ。
いくら妹とは言え、大親友の全てを話す事は出来ない。
神谷に聞きな」
「また怒るよ…きっと」
「そうかもな。でも楓に怒った事は俺が怒っといてやる。それは許せねぇな!」
「いいよ。私が悪いんだよ…
女の人最後に私に笑ってた。勝ち誇った顔してた。私は邪魔なんだよ。
きっと神谷が今でも大好きなんだね」
「あの女なんかほっときゃ良いだろ!?」
「…」
ベタベタ触ってた…
私なんかより
神谷の事知ってるんだよね…
私より先に知り合って…
「あっ」
紅葉の顔が少し曇った。
「どうしたの?」
「あの女には気を付けろよ?手段を選ばない。
もし人気のない所とか時間が遅い時とかは迎え行くから連絡しろ」