くすんだ空を見上げれば
朝いつものように起きて、紅葉が寝てるのを確認すると急いで台所へ向かった。
だけど昨日のままで
とても料理なんて出来る状況じゃない。
母は帰って来なかったのかな…?
本当に凄い荒れようだ。
「おはよ。朝の分も買っておいたよ」
紅葉が起きてしまった。
サラダ作戦は失敗に終わった。
「おはよう…
ありがとう」
また紅葉の部屋で食事を済まし
学校の準備を始めた。
いつまであんなに汚いままなんだろう…。
いつも通りに家を出て、沙恵と学校に行く。
昨日の夜の事を話ながら。
「その女は何なの!?ムカツク!」
怒る沙恵を横目に
私はどうしたら良いか分からなくなっていて
もし神谷と会ったらどう声をかけるべきか考えていた。
謝った方が良いのか…。
初めての事で何も分からない。
とりあえず弁当の時間を待ってみよう。
もしかしたらメールがくるかも…なんて
思ってる私はまだまだガキなのかもしれない。
淡い期待を胸に
授業をなんとか受けて
ついに昼になった。
携帯を握り締めて
ずっと扉を眺めて。
「楓、一緒に食べよ?」
そんな私を見た沙恵が弁当を持って私の席に来た。
「…うん」
きっと忙しいんだ。
今日は何か理由があってメール出来なかったんだ。