くすんだ空を見上げれば


『もしもし?』
直ぐに電話に出てくれた。

簡単に説明すると、沙恵の両親は仕事で一ヶ月近く出張らしく、快く泊まりをオッケーしてくれた。



「今から行くね…」

電話を切ってから紅葉に内容を言った。



「…まぁ、それが良いなら…。


だけど!!毎日何時でも良いから電話しろよ!?」


「う…
うん」

話終わってから車で沙恵の家まで送ってもらった。
神谷も一緒に来てくれたが会話する事はなく沙恵の家に着いた。








紅葉は「よろしくお願いします」と
沙恵に挨拶をして神谷と二人で荷物を運んでくれた。


ダンボールが三つと大きい鞄が二つだけの少ない荷物。
ほとんど学校の物だ。


神谷に小さく「ありがとう」と伝えると
少し笑って
だけど切なそうに「うん」と小さく言った。



あの優しい笑みを私に向ける事はもうないのだろうか…。






謝りたいけど

出来ない。



思い出すと女の人まで頭にチラついてしまう。



今日はたっぷりと沙恵に話を聞いて貰おう。











荷物を沙恵と整理しながら事の成り行きを話した。






驚いて聞いていたが、私はもう落ち着いていて
でも紅葉の知らない一面を見て

それが一番怖くて嫌で
本当に私はブラコンなのかもしれない。


< 86 / 123 >

この作品をシェア

pagetop