くすんだ空を見上げれば
『もしもし?』
直ぐに電話に出てくれた。
簡単に説明すると、沙恵の両親は仕事で一ヶ月近く出張らしく、快く泊まりをオッケーしてくれた。
「今から行くね…」
電話を切ってから紅葉に内容を言った。
「…まぁ、それが良いなら…。
だけど!!毎日何時でも良いから電話しろよ!?」
「う…
うん」
話終わってから車で沙恵の家まで送ってもらった。
神谷も一緒に来てくれたが会話する事はなく沙恵の家に着いた。
紅葉は「よろしくお願いします」と
沙恵に挨拶をして神谷と二人で荷物を運んでくれた。
ダンボールが三つと大きい鞄が二つだけの少ない荷物。
ほとんど学校の物だ。
神谷に小さく「ありがとう」と伝えると
少し笑って
だけど切なそうに「うん」と小さく言った。
あの優しい笑みを私に向ける事はもうないのだろうか…。
謝りたいけど
出来ない。
思い出すと女の人まで頭にチラついてしまう。
今日はたっぷりと沙恵に話を聞いて貰おう。
荷物を沙恵と整理しながら事の成り行きを話した。
驚いて聞いていたが、私はもう落ち着いていて
でも紅葉の知らない一面を見て
それが一番怖くて嫌で
本当に私はブラコンなのかもしれない。