くすんだ空を見上げれば
段々頭がポーっとしてきて
シャワーを浴びようと立ち上がった時フラついて倒れてしまった。
ガターン と物凄い音を聞き付けた沙恵は急いでお風呂へ駆けて来てくれた。
「楓っ!?」
バンッと開いた扉に思いきり頭をぶつけて
またも倒れ込んでしまった。
「あっごめん!
大丈夫?」
もう裸だなんて事忘れていて座ったまま訳も分からず泣き笑いをしていた。
「大丈夫?」
「うん。平気だよ、ありがとう」
沙恵の開けた扉により一番強いダメージを受けた頭にはポッコリとコブができていた。
もう色々な所が痛い。
「私さ、今から…」
何かを言いづらそうに沙恵は口を開いた。
「か…彼氏と約束あって…」
私と神谷の事できっと悪いなって思ってるんだろう。
「うん、行っておいで?」
「ごめんね…
明日帰って来るから…。自分の家だと思って寛いでて良いからさ!」
「あ、泊まって来るんだ?そっか…。
じゃぁ楽しんで来てね!
私は大丈夫だからさ!」
「ごめんね。これ、合鍵渡しておくね!
じゃ、行って来る」
「行ってらっしゃい」
沙恵を見送って、やっぱり人の家だから落ち着かず、沙恵の部屋で勉強でもしようと、お茶を持って部屋へ向かった。