くすんだ空を見上げれば
考えれば分かる事。
私と手を握った時、優しく笑ってた。
あの人みたいに
優しくしてよ
なんて言わなくても、凄く優しくしてくれた。
会いに来てくれた。
学校まで送ってくれた。
メールもしたし、遊んだ事もあった。
迎えに来てくれたり、それが何でかは分からないけど
明らかに私とあの人では違う。
怒らせたのも
あの時手を振り払ってしまったのも
謝る事が出来なかったのも
全部私の嫉妬のせい。
神谷は何も悪くない。
たった二日で私はこんな姿になってしまう程神谷が好きなのに。
「このままで良いのか?」
「紅葉は私を応援してくれてるの?」
「妹に彼氏できたら嫌だけど、こんな姿見るのはもっと嫌だな。
俺が来なかったらもっと泣いて飯も食わないでいたろ?
俺に電話もしてこなかっただろうし」
すっかり忘れてた。
どれだけ自分が神谷の事考えてるか身に染みて分かるよ…。
「神谷…
何で落ち込んでるの?」
「楓が触らないでって言ったから?」
わざと疑問系にしてきた紅葉は意地悪に笑った。
「なんならあの女も呼んでやろーか?神谷の態度で分かるよ。
ただ、楓の顔覚えられると色々厄介だからな…
あいつしつこいし」
「厄介…?」
「手段を選ばないって言ったろ?
あの時の様子じゃ多分また神谷の事追いかけるだろうし。
まぁ分からないけどな」