黒白世界
コンコンと、病室の戸をノックする音が聞こえたかと思えば。若い新人の看護婦が入ってきた。
「蓮菊(はすぎく)さーん、お薬の時間ですよ………って、また胡座(あぐら)なんか掻いて!
"女の子"なんですから、胡座なんて掻いてはいけませんよ」
「………ごめんなさい。次から気をつけます」
シュンと落ち込む"ふり"さえすれば、誰だって慌ててこう言うんだ。
「あら、いいのよ。そんなに落ち込まないで?誰だってすぐに直せない癖はあるものよ」
「……はいっ、頑張ります」
屈託のないような笑顔を作り、看護婦に向ければ皆顔を綻ばせる。
これが男なら耳まで真っ赤になったろう。
現に、今までも何回かあった。
「蓮菊(はすぎく)さーん、お薬の時間ですよ………って、また胡座(あぐら)なんか掻いて!
"女の子"なんですから、胡座なんて掻いてはいけませんよ」
「………ごめんなさい。次から気をつけます」
シュンと落ち込む"ふり"さえすれば、誰だって慌ててこう言うんだ。
「あら、いいのよ。そんなに落ち込まないで?誰だってすぐに直せない癖はあるものよ」
「……はいっ、頑張ります」
屈託のないような笑顔を作り、看護婦に向ければ皆顔を綻ばせる。
これが男なら耳まで真っ赤になったろう。
現に、今までも何回かあった。