ローズクォーツ
アクアマリン

「オレ、お前が好きだ!」

朝のうららかな日のあたる教室で突然響いた告白の言葉。

「ずっと好きだった…。女子が好むようなロマンチックなことは言えないけど、ただ、お前が好きだ…。好きなんだ…。」

シーン……__。

静寂のなか、一人の少女の声が響いた。

「あたしも……。北沢のこと、好きだから…。」

アイツは、その少女_柚季のシャツの襟元をつかむと、自分の腕に引き寄せ、

唇と唇を重ね合わせた。

「ヒューッ!熱々!」

「教室でキスするなんてあり?」

ざわめく朝の教室。

アイツと柚季はうつむいたり、目線を泳がせたりして落ち着かないでいる。

…憎い。妬いてしまうほど幸せそうな顔。

喉元が焼きつけられてるようになり、熱く、苦しく。

目から雫が落ちそうになる。

泣いたら負け…__。

とっさにそう思って、泣き出したいのをぐっとこらえ、

静かに教室を出た。
< 1 / 6 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop