ローズクォーツ
伝票を持って、個室に入り、ソファーに掛ける。

「てか、あたし北沢、好きじゃないし」

マイクを持って、モニターをいじくる新奈。

「まぁ、北沢なんて、忘れなよ!」

曲入れ速っ!

北沢颯の悪口を散々言いながらもう10曲ぐらいいれている。

あたしに為すすべなし…。新奈、恐るべし…。

「さぁ、歌えっ!」

マイクを突き出す。

あたしはひったくるようにして、それを受け取った。

…気分ノってないんですけど!!

だけど…。

新奈は、新奈なりに、あたしを励ましてくれてる。

だから、あたしは頑張る。

もとに戻らなきゃ。


白紙に戻そう。

北沢との恋は終わったんだ。

だから…あたしは大丈夫!

あたしはマイクを持って、息を吸い込んだ。

ちらりと見える、新奈のすっきりとした笑顔が見えた。




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