2ndアルバム〜あの日の鼻歌〜
「先輩、作品制作進んでます?」
二人揃って歩き出すと、それに伴って雨の匂いがついてくる。
「んー順調順調ー」
廻先輩は昔からなんでもそれなりに出来た。
でも中学の時も高校に入ったばかりの頃も熱中できるものが見つからなくて帰宅部だった。
そんな先輩が高一の夏休みが明けると美術部に入り、見る間に実力をつけていったのだ。
やっぱり、"あの人"が関係しているのだろうか…?
そこまで考えて、胸の奥が少しチクリとした。
「おい、宵空、大丈夫か?」
無意識に顔を強張らせて俯いた私を先輩が怪訝そうに覗き込んでくる。
バクン、と、耳の裏辺りで心臓が跳ねた。
「顔色悪ぃぞ?」
「あ、や、考え事してました」
なんとかそう返すと「そか」といって先輩は離れた。
二人揃って歩き出すと、それに伴って雨の匂いがついてくる。
「んー順調順調ー」
廻先輩は昔からなんでもそれなりに出来た。
でも中学の時も高校に入ったばかりの頃も熱中できるものが見つからなくて帰宅部だった。
そんな先輩が高一の夏休みが明けると美術部に入り、見る間に実力をつけていったのだ。
やっぱり、"あの人"が関係しているのだろうか…?
そこまで考えて、胸の奥が少しチクリとした。
「おい、宵空、大丈夫か?」
無意識に顔を強張らせて俯いた私を先輩が怪訝そうに覗き込んでくる。
バクン、と、耳の裏辺りで心臓が跳ねた。
「顔色悪ぃぞ?」
「あ、や、考え事してました」
なんとかそう返すと「そか」といって先輩は離れた。