2ndアルバム〜あの日の鼻歌〜
死のうとしてるわけじゃないし、

誰かに心配してほしいわけでもないから、

自分の中の自己防衛本能に少しだけ抗って、傷を作る。







涙には興奮物質がたくさんあるんだと言う話を聞いた事があるけど、多分血液も一緒なんだと思う。


いつの間にか重く感じていた体の芯が、じわじわと軽くなっていくような気がした。

傷口を湿らせた綿で拭くと、固まりかけていた血が拭い去られ再び滲み出す。



ただ何も考えずに眺めているうちに、何か別のものであるかのような感覚で、涙が一滴頬を撫でた。








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