密と蜜~命と共に滴り堕ちる大人の恋~
「すみません。僕なんかが指名してしまって」
「どうして謝ったりするんですか?」
「いやー、どう見てもなんかモテなさそうなおじさんでしょ」
木村さんが申し訳なさそうに低姿勢で笑った。
確かに、背も小さいしモテるタイプではないけど、私が目を見て話すと照れて視線を逸らす、それが実直そうで愛らしかった。
私は木村さんが逸らした視線にまた視線を合わせた。愛らしい瞳を見ていたかったから。