密と蜜~命と共に滴り堕ちる大人の恋~
デートの日の朝、体重を計ると、ぴったり二キロ痩せていた。トータルして五キロ。元の体重に戻った。
『やったー!!』
これで今日、智久が作ってきてくれるスイーツを罪悪感なく食べて
「ありがとう」
と、言える。
私は智久と逢える喜びをこの胸に抱いて、パープルのシフォンスカートを履いた。一時期履けなくなったのに今は少し緩いくらい。
鏡の前でバレリーナのように『くるっ』と回転。パープルがふわりと円を描いた。
白いシャツから覗いている鎖骨もくっきりと綺麗。
今日のために買ったシルバーのパンプスを履いてマンションの外へ出ると、太陽の光が頭の中でチカチカと青白くフラッシュした。
道路やビルが景色を変えるかのように回転していく。今、自分がどこに向かって立っているのか、正面がどっちなのかわからなくなった。
………………。
膝から落ちるように身体が崩れた。
智久、助けて……。
車のクラクションと急ブレーキの音が一瞬残像のようにブレて頭の中に浮かんでいた智久の顔と共に消えた────。
『やったー!!』
これで今日、智久が作ってきてくれるスイーツを罪悪感なく食べて
「ありがとう」
と、言える。
私は智久と逢える喜びをこの胸に抱いて、パープルのシフォンスカートを履いた。一時期履けなくなったのに今は少し緩いくらい。
鏡の前でバレリーナのように『くるっ』と回転。パープルがふわりと円を描いた。
白いシャツから覗いている鎖骨もくっきりと綺麗。
今日のために買ったシルバーのパンプスを履いてマンションの外へ出ると、太陽の光が頭の中でチカチカと青白くフラッシュした。
道路やビルが景色を変えるかのように回転していく。今、自分がどこに向かって立っているのか、正面がどっちなのかわからなくなった。
………………。
膝から落ちるように身体が崩れた。
智久、助けて……。
車のクラクションと急ブレーキの音が一瞬残像のようにブレて頭の中に浮かんでいた智久の顔と共に消えた────。