密と蜜~命と共に滴り堕ちる大人の恋~
 ついにやってきたドキドキのバレンタイン。

 ハート型のチョコを何度も失敗しながら一生懸命作って、ピンクの箱に入れて赤いリボンを結んだ。松重先輩と結ばれますようにと。

 放課後、部活が終わったばかりの松重先輩に手渡した。汗を拭いてもらおうと想いを込めて選んだ星柄のタオルと一緒に。


「松重先輩、好きですっ……。これ、もらってください」

「ありがとう。マジで嬉しいよ」


 松重先輩が爽やかな白い歯を見せて微笑んだ。そして、優しく私の頭を撫でた。

 マジで嬉しいって、私もマジで嬉しかった。

 その瞬間から二人の関係が急速に進んだ。彼氏と彼女になったのだ。



< 195 / 304 >

この作品をシェア

pagetop