密と蜜~命と共に滴り堕ちる大人の恋~
 今日は久しぶりの休日。時間を気にせずゆっくり寝ていようと思ったけど、休みの日に限って眠りが浅く、嫌な夢ばかり見る。夜中に風の音で目が覚めた。

 子供の頃に渡された毒リンゴのような幻覚、幻聴を伴う嫌な夢から救ってくれた風の音。

 どうして嫌な夢に限って何度も何度も繰り返し見るのだろう。


 幸せな夢の余韻は目覚めてすぐに消えるのに、嫌な夢の余韻は想像以上に脳をいたぶる。

 人間の脳は不思議だ。感覚を研ぎ澄ましていないと生きていけない野生の生き物たちも夢を見るか、偉い人に聞いてみたい。



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