密と蜜~命と共に滴り堕ちる大人の恋~
 ちょうどオレンジ色の街灯の下。

 深夜なのに風船を飛ばしたくなるようなオレンジが夕焼けのように美しかった。

 ふとミクの顔が思い浮かび、頭が締め付けられるように強く痛んだ。

 ミクだって精一杯生きていたはず。親の借金の話なんて一切しなかったし、弱音も吐かなかった。不幸を売りにして同情を得ようとするより、気持ちいい。

 大体、キャバ嬢なんて精一杯でなければやってられない。プライドだってある。あるから乗り越えていける。



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