密と蜜~命と共に滴り堕ちる大人の恋~
 神宮外苑の花火をあなたと見たくて、橘商店街の角にあるお店であなたと冷やし中華を食べたくて、実家のある伊豆の海をあなたと泳ぎたくて。

 ショッピングモールで色艶ある紫の浴衣と、清楚な淡いピンクの水着と、赤いリボンがついた麦わら帽子を買いました。


 向日葵の隣で一緒に咲きたいと思ううちに、苦手な夏さえも好きになっていたのです。

 今年の夏はあなたと乱反射したい。朝日が窓に反射する始発電車のように。

 見上げたら、少し背を屈めてくれたあなた。

 つま先立ちをしたら届きそうな距離に、今、あなたはいます。




【向日葵*END】





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