密と蜜~命と共に滴り堕ちる大人の恋~
 そう言おうとした瞬間、君が「なに?」と無警戒な上目遣いで私を見た。

 すっきりとした切れ長の額縁。その中にある茶色いダークな瞳が浮かび上がるように明かりを取り込んでいる。

 仕事中とは違う警戒心が一切無い君のその瞳。

 じっと見つめられると、なにも言えなくなる。考えていた言葉も、時には魂さえも吸い取られてしまう。

 
………────。


 それは無警戒な君の瞳の中に私がいるから。

 君の瞳に映る私はまるで別人のように美しい。




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