密と蜜~命と共に滴り堕ちる大人の恋~
 携帯小説で見つけた詩。作者の名前は覚えていないけど、心と身体に染みた。

『痛みのバームクーヘン』

心が痛んで
眠れない
眠ろうとすればするほど
朝が遠くなって
疲れが溜まって
どうしたらいいの?と
また心が痛んで
痛みがぐるぐる悪循環
ぐるぐる回って
継ぎ目がなくて
年輪みたいに
増えていく
でもそれって
バームクーヘンみたい
私がひとくち
食べてあげます
「いただきます」
ほら悪循環が断ち切れたでしょ


 この詩の『心』は私の『腰』を意味しているように感じた。

 私の痛みのバームクーヘンを食べてくれるのは、悪循環を断ち切ってくれるのは龍平ではないような気がしている。それなら断ち切ってくれるのは整形外科の医師だろうか? 多分それも違う。

 整形外科なんてレントゲンを診て湿布を出してそれで終わり。なにもしてはくれない。

 整体、カイロ、骨盤矯正、コルセット、高額なものも身体を治すためならと定期預金を解約して注ぎ込んだ。

 新聞の折り込み広告に入っていた怪しい痛み止めやサプリメントも使ったけど、効かなかった。


 解熱剤の成分を持った鎮痛剤は贅肉にはりついた下着のよう。私には全く効果がない。

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