密と蜜~命と共に滴り堕ちる大人の恋~
二人がどうなろうが私には関係なくなったから。
社会に出て、中卒と高卒の差を思い知った。地を這うように仕事をしても家賃が払えず、公園で寝た事もある。捨てられた新聞紙を体に掛けると暖かかった。
経済がどうとか政治がどうとかプロ野球の結果とかテレビ欄、そんなのはどうでもいい。本来の新聞紙の価値と私の新聞紙の価値は全く違った。
スーパーの裏で段ボールを盗むようにもらい、布団の代わりに敷いたり、人目に触れないように衝立にした。
髪や身体は公園の水道で洗った。脱いだ服や下着も洗って木の枝にかけ、乾かした。深夜、誰も来ない時間帯を選んで。まあ多少誰かに見られていたとしても減るもんじゃないし、警察に通報されなければそれでOKだった。
なんていうのはただの強がりで、このままではいられないと雇ってくれるバイトがあればなんでもした。