密と蜜~命と共に滴り堕ちる大人の恋~

【リアルキス】

 トキメキ度が振り切れ、瞬也さんの唇が私の唇に触れました。

 優しくて柔らかくてその感触が二人の吐息を誘うドラマのような……リアルキス。


【悪戯な後輩】

「その時はストッキング脱いでくださいね、鮫島先輩。……生クリーム塗りたいから」


【愛されるカラダ】

 カラダの内側から外側まで柔らかく包み込む羊水のように。


【チョークの秘密】

 明日の成人式で私は振り袖を華やかに身に纏う事だろう。


【幸せの味】

 そのメープルに二人の『幸せ』という文字が溶けている。だから幸せの味がするのかもしれない。


【恋愛の行方】

 私は愛する辻井さんと家族になる。それが私の幸せ。


【ソフトクリームタイムリミット】

 どちらも別れを切り出さずに自然に消えて行く恋。

 ソフトクリームタイムリミット。


【悲劇のヒロイン】

 変わる事は怖いけど、私が勇気を出して変わった事で、長かった梅雨が終わり、私と亮の間に美しい虹が架かった。

 一生消える事のない虹の橋。


【向日葵】

 見上げたら、少し背を屈めてくれたあなた。

 つま先立ちをしたら届きそうな距離に、今、あなたはいます。


【映る裸のダイアモンド】

 キラリと滴る、最後の一瞬まで、果てるその一瞬まで輝きながら、私も鏡のようなこの瞳に裸の『君』を映す……。

 君の無警戒な瞳と裸はいつだって『私』だけのもの。


【高速道路を助手席で】

 この車が高速道路を下りた後に起こるであろう事を窓の向こうに熱く、蜃気楼のようにイメージしながら……。


【夫婦愛】

 いつか母に「生んでくれてありがとう」と言える人になりたい。

 いつか父に「育ててくれてありがとう」と言える人になりたい。

 母が父の足の爪を切っていた、あの陽の当たる縁側で……。


【一糸纏わず】

『手は一糸纏わず全てを曝け出す裸体である』

 職場とは異なる場所で心が密会すればする程、蜜は手という裸体で掬われていく……。雨粒に濡れた蜘蛛の糸のように煌めきながら。


【真っ白な雲の下で】

 一度捲られると、命ある限り、真っ白な雲の下でも、密色の月の下でも、昼夜を問わず愛というページは捲られ、綴られていく……。

 深くて熱い二度目のキスを交わしながら目を開けると、さっきの三毛猫が蜜色の瞳でこっちを見て啼いた。続きは雲のようなベッドの上で、と。

 ふわりふわり

 とろんとろん

 ぷるんぷるん





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