密と蜜~命と共に滴り堕ちる大人の恋~
 高校生の頃は吹奏楽部に所属してサックスを吹いていたのに、社会人になってからは音楽なんて忘れていた。

 音大へ行った友人とも、最近、連絡を取っていない。

 起きて会社へ行き、帰って寝て。起きて会社へ行き、帰って寝て。それだけが私の日常。

 夢とか希望とか、そういう物質は私の日常から遠く離れ、何度、日が登り、日が沈んでも掴むどころか、見える事さえなかった。

 だから好きな音楽を奏でるあなたに出逢い、運命が人生が大きく変わった気がした。

 初恋ではなく、二度目の恋のように日々、加速を増して好きになっていった。



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