密と蜜~命と共に滴り堕ちる大人の恋~
グレーに子供が生まれても佑介は喜ばないだろうと思った。それどころか、もうエサすら与えなくなるかもしれない。
どうしよう……。
自分自身とグレーが重なって、見捨てるわけにはいかない心理状態になっていた。
どうしてあげたらいいのか答えが見つからないままグレーのお腹を撫でた。温かくて、命の張りがあったから、余計不安になって、答えを望むように城田さんを見上げた。
「駅前にできたマンション、ペット可だってさ」
「でも、家賃高そうだし」
「じゃ、俺とそのマンションでルームシェアしない? 隣人よりも近づきたいんだ」
城田さんの白くて綺麗な波のうねりを思わせる指が私の頬に触れた。