Love the love.


 俺の答えにまた一段と勢いをなくした声で、それでも彼女は続きを言ってしまう。

「・・・じゃあ・・・じゃあ、テル君とあたしどっちが大事?」

 ああ、残念。この子も・・・宇宙人決定だ。

 俺はまったりと、特別変な間も空けないで答える。

「テル」

「―――――――」

 彼女は目を見開いて俺を見つめている。

 またため息を飲み込んだ。


 そんなこと聞いてどうするんだ?

 テルとは甥の広輝のことで、5歳しか離れていない、この世で唯一の身内だ。

 自分の両親と姉、テルの母親でもある俺の姉が亡くなってから、二人で力をあわせて生きてきた。

 あいつには俺が必要だったし、俺にもあいつが必要だった。

 テルが大事、それは呼吸をするのと同じくらいに当たり前のこと。

 どうしてそんなのと比べるんだ。

 涙でいっぱいにした瞳で俺を睨み付けて、彼女はこういう。

 バイバイ、あたしは結婚出来て、あたしだけを大切にしてくれる男を探すから。

 あなたの大事なテル君と一緒の扱いは、もう御免よ。


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